Suno MCPで曲を頼む前に。リールBGMの「注文書」を作ろう
動画はできたのに、最後のBGMで手が止まる。候補を聴いて、別の曲を聴いて、気づいたら編集より曲探しに時間を使っている。今日は、その前に作っておくと選びやすくなる、音楽の注文書を一緒に作ります。
きっかけは、10月28日に発表されたSunoのMCPベータです。Sunoを対応するAIにつなぎ、会話の中で音楽づくりを進める仕組みが発表されました。11月1日の朝に確認した公式案内では、早期アクセスの申し込み制です。曲にはSunoのクレジットを使います。全員が今すぐ、何曲でも無料で使えるという話ではありません。
ただ、使える人が増えたときに差になるのは、接続する手順だけでしょうか。僕は、その先で何を頼むかだと思っています。「いい感じの曲を作って」だけだと、できた曲を何で選ぶかが決まらない。そこで、今日は音楽の専門用語を知らなくても書ける注文書を用意しました。ここで扱うのは、撮影用に作った架空のカフェの紹介動画です。実在するお店の成果ではありません。
まず、完成させたい動画を言葉にします。朝、店の扉を開く。カップにコーヒーを注ぐ。窓際に座る。最後に、お店の名前が出る。30秒の動画を想定します。この時点では、曲名もジャンルも決めません。お客さんに感じてほしいことを決めます。「急いで飲む店」より「朝の数分を落ち着いて過ごせる店」と伝えたい。この一文が、音楽を選ぶ物差しになります。
音楽の注文書で最初に書くのは、誰が、どんな場面で聴くのかです。同じコーヒーでも、通勤前にスマホで見る人と、夜にお店の紹介をじっくり見る人では、似合う入り方が変わります。「おしゃれ」だけでは、その違いをAIに渡せません。今回は、朝にスマホで見る人へ、落ち着いて過ごせる場所だと伝える。ここまで書きます。
2つ目は、声が主役か、映像が主役かです。店主が話している動画なら、歌や強い音が説明とぶつかることがあります。今回の前半にはナレーションを入れる想定なので、「前半は声を邪魔しない。歌詞は入れない」と指定します。後半はカップを置く映像なので、少しだけ余韻を作る。全部を同じ強さにする必要はありません。
3つ目は、変化する場所です。「盛り上げて」と頼むより、「扉を開く最初、コーヒーを注ぐ中盤、店名が出る最後」と、映像の出来事で分けます。秒数を細かく指定しても、出力がその通りになるとは限りません。まずは、映像の3つの場面に対してどんな音が欲しいかを書く。編集で合わせる余地も残します。
では、そのまま使える依頼文です。「架空のカフェを紹介する30秒動画用の、歌詞のないBGM案を考えてください。見る人は通勤前の人です。朝の数分を落ち着いて過ごせる場所だと伝えます。前半はナレーションを邪魔しない音、中盤はコーヒーを注ぐ映像に合う穏やかな動き、最後は店名を読める余韻をください。候補を増やす前に、足りない条件を3つまで質問してください。」
大切なのは、いきなり曲を何十個も作らせていないところです。まず不足を質問させる。音量の好み、動画を使う場所、避けたい雰囲気。自分が決めていなかったことに気づけます。Sunoの接続がまだ使えなくても、この注文書は既存の音源を探すときにも使えます。曲を生成できたと見せかける必要はありません。
候補を選ぶときも、好みの投票だけにしません。声が聴き取れるか。お店の印象と合うか。最後の名前を読む邪魔をしないか。この3つを順に見ます。「曲として格好いいけど、話が聴こえない」なら、この動画には合っていない。曲そのものの評価と、動画の目的への評価を分けます。
ここで、よくある修正を1つ。落ち着いた曲を頼んだのに、眠くなるほど動きが少なかったとします。そこで「もっといい感じに」では、また振り出しです。「落ち着いた雰囲気は残して、中盤のコーヒーを注ぐ場面だけ、軽いリズムを加える案にしてください」と返す。残すものと変える場所を一緒に言います。これは画像でも文章でも同じです。
店舗や広告に使う場合の利用条件は、曲が作れることとは別です。今回のMCPの発表だけで商用利用まで決まるわけではありません。使う曲と契約条件を結び付けてから採用します。ここは最後にまとめて確認するより、注文書の「用途」に最初から書いておくと、後から作り直す理由が減ります。
AIに頼むとき、細かく指示するほどよい、という話ではありません。目的に関係のある条件を渡すのが大切です。たとえば楽器の名前を10個並べるより、「店主の声を聴いてほしい」の一言の方が判断に効くことがあります。専門家らしい単語を増やす前に、誰に何を感じてほしいかを言葉にする。それなら、普段の仕事の説明から始められます。
今日の完成物は、曲ではなく、自分で候補を選べる音楽の注文書です。用途、相手、主役、3つの場面、避けること。まず今作っている動画1本で埋めてみてください。配布用のワークにも、このカフェの記入例と空欄のシートを入れています。
次に画像を作るときも、同じように「お店らしさ」を先に言葉にすると、1枚ずつ雰囲気が変わる問題を直しやすくなります。関連する画像づくりの回では、色だけに頼らないブランドの渡し方を扱います。曲を探す前に、何のための曲か。その一文から始めてみてください。
今日の「BGMの注文書」は、記入例と自分で使えるワークをまとめています。概要欄の公式LINEで「音楽の注文書」と送って受け取ってください。見ながら、自分の仕事1つに当てはめてみてください。
今回のポイント
- 用途・相手・声の役割・場面・避けたいことを注文書にする
- 架空のカフェ動画で、質問を先に出す依頼文を作る
- 候補の選び方と、良い部分を残す修正方法
ワークで試す
自分の動画の用途と見てほしい相手を1行ずつ書く。
公式LINEに登録後、トークで「音楽の注文書」と送ってください。
https://line.me/R/ti/p/@953mvaom
動画で見る
https://www.youtube.com/watch?v=jSbWlnuJ534※動画は2026-11-02 19:00公開予定です。

