AIの説明が難しいときは、答えより先に質問を作ろう
AIに説明文を作らせたのに、何度読んでも難しい。文章は丁寧なのに、お客さんの質問への答えになっていない。そんなときは、文章を短くする前に、AIに質問を整理させてみてください。今日は、初めて参加する人が迷わない案内文を、1つの例で作ります。
見本は、架空のオンライン勉強会です。決まっている情報は、開催が日曜の14時、所要時間は60分、途中参加できること、録画の配布はないこと。この4つだけです。ここにない料金や定員、実績は作りません。今回は説明の作り方を見せるための素材です。
最初の悪い例を読みます。「本講座はリアルタイム型の双方向学習機会であり、アーカイブの提供はございません。途中入室にも対応しております」。間違いはなくても、初めての人が本当に知りたいことが、すぐには見えてきません。たとえば「14時に間に合わないと参加できないの?」という不安です。
そこで、先に質問を置きます。「14時に間に合わなくても参加できますか」。答えは「途中からでも参加できます。勉強会は14時から15時までです。録画の配布はないので、参加できる時間からご覧ください」。同じ情報でも、読む人が決めたいことから始めると、使える案内になります。
これはAIの文章を、全部やさしい言葉に置き換える話だけではありません。誰のどの不安を解消するのかを先に決める話です。「誰でもわかるように」と頼むと、誰にも絞られていない説明になることがあります。「初参加で、途中から入ってよいか迷っている人へ」と渡す方が、返事の目的がはっきりします。
僕が10月27日の勉強会で伝えたことも、AIへ自分の目的やデータ、判断の根拠を渡して、次に何をどう直すかまで具体化する、ということでした。調べて終わり、案が出て終わりではなく、自分の仕事に使う。今日はその考え方を、たった1つの質問と答えに当てています。
まず、元の案内文から「決まっていること」を抜き出します。日時、参加方法、用意するもの、対応できないこと。次に、初めての人が迷いそうな質問を3つ出します。この時点で、答えが資料にない質問が出てきても大丈夫です。そこが、案内を作る人に残っている仕事だからです。
たとえば「スマホでも見られますか」という質問が出たとします。でも、渡した資料には対応端末がありません。ここでAIが「もちろん見られます」と補うと、文章は親切でも、実務では困ります。答えを埋めずに、「資料には記載がない」と分ける。相手に出す文と、運営側が確かめることを分離します。
使う依頼文はこちらです。「この案内を初めて読む人が、参加するか決めるために知りたい質問を3つ作ってください。各質問に、資料だけを根拠に答えてください。答えの根拠となる文も添えてください。資料にない内容は、回答文に混ぜず、運営側への確認事項へ分けてください。最後に、最も迷いを減らせる質問から並べてください。」
この依頼なら、AIが出した順番も検討できます。日時を先に置くべきか、初心者でも参加できるかを先に置くべきか。そこは、対象者の状況によって違います。すべての案内を同じテンプレートにするのではなく、読む人が止まる場所から順番を決めます。
もう1つ、返事の長さも考えます。「録画はありますか」という質問なら、最初の1文で「録画の配布はありません」と答えます。その後に必要な補足を置きます。理由の説明から始めて、3段落目に答えが出ると、急いでいる人には伝わりません。結論を先に、その後に条件です。
一方で、短くすれば何でもよいわけではありません。「途中参加OKです」だけだと、何時までやっているか、見逃した部分を後から見られるかはわからない。必要な情報を減らすのではなく、判断する順番に並べ替える。AIに短縮を頼むときも、残す条件を指定してください。
改善前と改善後を並べると、直した点が見えます。専門用語を減らした。質問を先頭に置いた。最初の1文で答えた。根拠のない情報を追加しなかった。毎回全部を変える必要はありません。まず、よく聞かれる質問1件を、この形に直します。
案内を公開した後に見るのは、文章の上手さの自己採点だけではありません。同じ質問がどれくらい来たか、案内のどこで迷ったか。件数が少ないときは、「質問が減った」とすぐに言い切らず、届いた言葉を残します。数が小さくても、具体的に何で迷ったかは次の修正に使えます。
AIに任せると、人が考えることがなくなるように見えるかもしれません。でも、この例では逆です。相手が知りたいことと、自分がまだ決めていないことが見えてきます。答えを早く出す前に、問いをはっきりさせる。その使い方なら、資料が少ない段階でも始められます。
配布用のシートには、元の事実、相手の質問、答え、根拠、まだ不明なことの欄を用意しました。文章を書くのが苦手でも、事実から順に埋めれば、案内の材料になります。最初はお客さんに送らず、自分が説明できるかを読んで確かめてみてください。
次は、資料が1枚ではなく3枚になったときの話です。AIが提案してきた内容の、どこを信じて、どこを自分で決めるのか。根拠つきの比較表を作る回へつなげます。今日の1歩は、説明文を長く書くことではなく、相手の質問を1つ先頭に置くことです。
今日の「FAQシート」は、記入例と自分で使えるワークをまとめています。概要欄の公式LINEで「質問の設計」と送って受け取ってください。見ながら、自分の仕事1つに当てはめてみてください。
今回のポイント
- 元の事実から相手が迷う質問を作る
- 答えと根拠を対応させ、未確認を勝手に補わない
- 案内文の修正前後と公開後の質問を比べる
ワークで試す
自分の案内文から事実と未確認を分ける。
公式LINEに登録後、トークで「質問の設計」と送ってください。
https://line.me/R/ti/p/@953mvaom
動画で見る
https://www.youtube.com/watch?v=RuwwY0fs0QQ※動画は2026-11-05 19:00公開予定です。

